概要
『ファースト・クラス』または『ファーストクラス』は、2014年にフジテレビ系で放送された沢尻エリカ主演の日本のテレビドラマシリーズ。
第1期『ファースト・クラス』は2014年4月19日から6月21日まで毎週土曜日23:10 – 23:55の「土ドラ」枠で放送された。
第2期『ファーストクラス』(「・」が入らない)は同年10月15日から12月24日まで「水曜22時枠」で放送された。フジテレビによると、同局の連続ドラマシリーズで1クール(3か月)だけ空けて新作が制作されるのは史上初めての試みとなる
。また第2期のドラマ放送に先駆け、10月1日から4日にかけて『ファーストクラス・ナイト』とし、菜々緒を主演としたフェイクドキュメンタリー『I AM REMIE〜敏腕編集者レミ絵の多忙な1日〜
』や第1期・『ファースト・クラス・ガールズ』が再放送された。
ファッション業界で働くことを夢見ながら、東京・下町の衣料材料店で働いていた吉成ちなみがファッション雑誌『ファースト・クラス』の編集部に勤務することになるも、編集部の上司や先輩、専属のファッションモデルから壮絶ないじめに遭う物語を通じ、女性同士のコミュニケーションにおいて、自己の優位性を態度や言葉で主張し上下関係の格付けをしあう「マウンティング」の生態を描くことがテーマとなっており、タイトルの「ファースト・クラス」とはこの上下関係の頂点を意味している。また同時に、吉成ちなみが困難を乗り越え頂点に立つまでを描く「現代版・裏シンデレラストーリー」であることも強調されている
。
第2期では舞台を雑誌社からファッションブランド「TATSUKO YANO」へと移し、『ファースト・クラス』編集部員をも交えた業界の舞台裏とマウンティングを描く。
番組冒頭と最後には、主要人物の力関係(1期は8名、2期は11→12名)を示す「マウンティングランキング」が発表され、話の展開に応じて順位が入れ替わっていく。
また、キャラクターの隠された本音をテロップ(字幕放送とは別)で表示する特異な演出も見られる。
第1期の第5・8・9話ではそれに加え、「悪魔の心の声解説」と銘打って、登場人物が副音声で作品を解説するという試みが行われた。内容は本編に比して、パロディやメタ発言、楽屋落ちが連発されるコメディタッチのものとなっており、レミ絵役の菜々緒は「雑音漫才実況」
とコメントしている。また、フジテレビ系列での再放送においては第1・2話分の解説が新録され、その収録の様子もメイキングとして公開されている。この副音声に対してはザテレビジョンドラマアカデミー賞で特別賞が授与されている
。
パラレルショートドラマ(通称:パラドラ。)『ファースト・クラス・ガールズ』の動画配信をしている[11]。この作品では本編の主人公であるちなみは登場せず、本編の合間に起こったMIINAとERENAの舌戦とそれを取り巻く編集者たちのマウンティングを中心に描き、最後に勝者を決めるというストーリーになっている。本編再放送の際、放送地域によっては余った時間を埋める為に本編終了後にテレビ放送された地域もあった。
パラドラ以外にも、トーク番組の体裁を取った『ファースト・クラス・ゴシップ[12]』と、レミ絵の暴言をピックアップした『ファースト・クラス・増刊号[13]』がyoutubeで配信されている。
視聴率は関西、特に西日本が好調であり第1シリーズ第2話では12.4%を記録し、土ドラ枠での最高視聴率を更新した[14]。
第1期(あらすじ)
第1話 – 第6話
ファッション業界で働くことを夢見ながら、下町の衣料材料店「Tokai」で販売員をしていた吉成ちなみは、ひょんなことから有名ファッション誌『ファースト・クラス』を発行する大手出版社・詢香社(じゅんこうしゃ)でインターンとして働くチャンスを得る。自分には一生縁が無いと思われた「夢の世界」に胸を弾ませるちなみであったが、一見きらびやかなその世界にあったのは、野望を抱いた女たちが服のセンス・仕事・金・男など様々な要素で互いを値踏みし、蹴落とし合うマウンティング(人間の格付け)地獄であった。
コネも経験もないちなみはあっという間に編集部で最下位の存在とされ、慣れない仕事や先輩の嫌がらせに苦しめられる。夢を破られ一時は辞めようと考えるちなみであったが、編集長の大沢留美から「ここには仲間はいない」「勝った人間だけが夢を見る権利を得る」と告げられ、ちなみは悪意渦巻く編集部で生き残っていくことを決意する。
第7話 – 最終話
様々なトラブルや罠を乗り越え、編集部で生き延びてきたちなみ。そんな中、詢香社では『ファースト・クラス』の副編集長であった八巻小夏が新雑誌『プエルト』を立ち上げ、大沢に反旗を翻す。しかも詢香社では売り上げの伸び悩むファッション雑誌事業を再編する動きがあり、この2誌のうち売上対決で負けた方を廃刊させることが決定された。
そんな中、突如ちなみは『プエルト』の副編集長に抜擢される。洗礼としてこれまでのやり方を全否定され落ち込むちなみだったが、ついに甘い考えを捨てエディターとしての自覚を持つ。やがて編集部内のマウンティングを制したちなみは自らの雑誌、ひいては詢香社そのものの生き残りをかけた激しいバトルに巻き込まれる。